カテゴリ:本( 9 )

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「風紋」「晩鐘」と重いテーマが続いて、心が少し疲れちゃったかも。
で、調べてみたら「いのちの王国」というのがありました。
早速ゲット。
一ページからもう涙目になりそうな私。
これ、やばいかもです。
一話目のキリンの話はきっと泣いちゃいそうで、閉じてしまいました。
もう少し日が暮れてからお酒片手に、思いっきり浸ろうと思います。

あの問題家族を延々と描き続ける乃南さんの、こういう一面、とても嬉しい発見です。


by jmtravolta_johnta | 2016-05-18 15:13 | | Comments(0)
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夜9時前にはベッドに潜り込んで本を読む習慣はいつからだろう・・・?

乃南アサの本にはまって以来、ずっとはまり続けている。
気がつくと明け方近くになっていて、翌朝ぼうっとして目覚めることもある。

この人の小説は殺人が絡んでいても決して推理小説ではない。
犯人探しや謎解きのお話ではないのだ。
家族の話、それも
壊れ掛かった家族。
妻に「逃げられた」刑事やブン屋の話がある。
中でも親に捨てられた子供の話が多い。
離婚する時に兄弟だけ連れて自分は置き去りだったとかの
辛い状況が描かれる。

この本の場合、悲痛な叫びを上げているのは母親を殺された高校生。
自分の内面に向かってしか上げられない彼女の描写が抑えた筆致で描かれていて読んでいて息苦しくなってしまう。

で、ふと現実に戻ると安穏っていうか平穏っていうかごくごく普通の日常の中に埋没できるという、このフツーさが実はとても幸せなことなんだ、と気づくのです。

救いがありますように、と続編の「晩鐘」に望みをかけつつ・・・・










by jmtravolta_johnta | 2016-05-10 08:00 | | Comments(0)
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ここんとこ、乃南アサの本にはまっていて、文庫本をまとめて買い求めてあった。
先日の旅先で、ふと手にしたのがこの本。
新千歳空港で読み始めたら止まらない。

少年法適用年齢のころから何かやらかしてきたと思える主人公、23歳の今、ひったくりや強盗を繰り返しながら着の身着のままヒッチハイクで九州の寒村にたどり着く。そこでバイクに乗っていてけがをした老女を助けたことから運命の指針が大きく振れる・・・

自宅についてくたくたにくたびれていたけど続きを読み、最後にはぐずぐずと涙がでて
すっきりと眠りにつけました。

二冊あるのは既に買ってあったのを忘れていたからです(^^:)
by jmtravolta_johnta | 2016-02-17 18:53 | | Comments(0)
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世界中で翻訳され、絶大な人気を博しているという村上春樹の小説。

だいぶ前に「ノルウェーの森」を読んで、孤独感溢れる叙述と静かでひんやりとした読後感が気に入っていた。

そのあとは推理小説にはまり、この人からは遠ざかっていたが
先日図書館で「多崎つくると色彩を持たない・・・」という長いタイトルの小説がすぐ借りられたので読んでみた。
やはり孤独感を描いているけれど、どうもこの主人公に共感が持てない。
いらっとするのだ。
いらっとする要素はいろいろあるけれど
知り合いの女性が殺されたのに交友関係にあるこの多崎つくるのもとに警察の聞き込みも来なかった、というところにウソっぽさを感じてしまった。

それでもここ何年かは毎年ノーベル文学賞の候補に挙がる。
イギリス人の女の子は「海辺のカフカ」が好き、とインタビューで答えていたので
それでは、と読んでみた。

私が頭固いからなのか?なんだか荒唐無稽で支離滅裂・・・訳が分からん・・・と頭抱えてしまう。
ファンタジーでシュールなのは我慢しよう。
それに音楽に関する薀蓄を作中の人物に語らせたり、身に着けているものがほとんどブランドものでおしゃれ、見た目すっきりの美男美女がでてくるのも構わない。
だけど
近親相姦みたいなことをさらりとなんだか清潔な感じで描いてしまえるのは作家の力かもしれないけれど、
やっぱり気持ち悪いし、
猫を何匹も生きたまま惨殺する人物の記述は目を覆わんばかりのリアルな描写で、
やっぱり気持ち悪い。
ナカタさんという結構重要な謎だらけの人物は
主人公との接点があるような思わせぶりな展開が続き、結局、この人が誰なのかが解明されることなく、全く謎だらけのまま眠ったまま死んでしまう。
何一つ
謎解きがないまま終わるから、釈然としない。欲求不満も募る。もっと言うとイラっとするのだ。

これが、ノーベル賞候補に挙がる人の作品なんだあ・・・・と
やっぱり首をひねってしまうのでした。

by jmtravolta_johnta | 2015-10-15 13:42 | | Comments(0)
南牧村の真ん中を流れる南牧川。水が綺麗でところどころで子供のみならず大人も水遊びに興じていました。
「ゼロ・ワン」に収録されている「遠田の蛙」は下仁田からバスで行きつくという南鹿村が舞台。どう考えてもこの南牧村がモデルでしょ(^^)
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夏ごもりなので夜は9時前くらいから本を抱えて寝床に潜り込むというパターン。

私の読書パターンは一端気に入ったらその人ばかり片っ端から読み漁る、というタイプ。順不同に有吉佐和子、松本清張、山崎豊子、清水義範、東野圭吾、宮部みゆき・・・。そうだ、司馬遼太郎。一時はその文体を真似して日記書いたりしてた(笑い)

お気に入りの一人、宮部みゆきはほとんど読んじゃったしなあ・・・とつぶやいて図書館の書棚に向かう。
ところが、あった。
え?これ読んでなかった?!と思って借りたのは帰宅してから気づいたほかの人の本。宮部みゆきの本のコーナーに紛れ込んでたのでした(^^;)
ま、いいか、と読み始めたら
これが面白いのです。
「ゼロ・ワン」という深山亮という人の短編集。
推理小説の新人賞作家だというから普通の推理小説を予想していたら、そうではなくて、
司法書士が主人公でその身辺で起こる出来事の謎を解いていく。
大好きな宮部みゆきと違ってむごたらしい死体が出てこない。5つの短編がそれぞれ主人公の司法書士を中心にオムニバス風に一話づつ完結するのですが、
文体が何か、とても砕けているけれど下品ではなく、会話がお洒落だったり、ウィットに富んでたり、
パスティーシュ風だったり、詩のように短い文がポンポンとつづいたり・・・飽きさせないのです。
登場人物もなんかいいなあ、と思わせる人ばかりだし、
作家本人の心根の優しさが推し量れます。

残念なのはこの深山亮という作家はまだ二冊しか出してないようなのです。
現役の司法書士でもあり、本業は続けるそうですが
あの、東野圭吾さんだって最初はエンジニアだったけど、途中から専業作家になられたことだし、
深山さんももっと書いてくださいよ。
今度から本屋さんでキチンと買いますから。
読み終えても手元に置きたい本になりそうだから。
by jmtravolta_johnta | 2015-08-17 17:17 | | Comments(0)

「パラドックス13」

全くの偶然でした、この本を図書館で見つけたのは。
例によって予備知識なしで取り掛かります。東尾圭吾の本です。
ブラックホールとかワームとか出てくるのでSFものかと思いきや、やはりSFもの、私の苦手な分野でした。
ところが、
我慢して20ページほど進んだら、これが「とんでもない天災」というのは言葉が足りなくて「超常現象」の世界に連れて行かれるのです。

あ、ある程度のネタバレですから、完全に予備知識なしで読みたいという人はここまでにしてください。

超常現象の世界は人類が突然消えてしまい、消えなかった、というか生き残り(?)の11人が大地震と大型台風や津波などがひっきりなしに襲う東京、つまり異空間でサバイバルを試みるという展開になります。
この小説が出たのが2009年といいますから、阪神淡路大震災の後なのでその時を連想させられる
大惨事の情景描写などが生々しくぐいぐい引き込まれてしまいました。
「ビルが倒壊し道路が波打っている」、と書かれていればすぐにあの恐ろしい光景が目に浮かびます。

おりしも昨日はあれから20年ということもあり、テレビではその時を教訓にするべくドキュメント番組が組まれていましたし
東北大地震のときの津波の映像も同時に流れていましたから
この本の中で起こる超常現象が具体的にイメージできるため、ちっとも超常現象ではない。背筋が寒くなるような印象さえ覚えつつ読み進みます。

さて11人の顔ぶれが刑事兄弟、老夫婦、若者二人、ある企業の専務と部下、女の子を連れたお母さん、そして赤ん坊、看護師、最後にやくざ。合計13名ですが、途中で抜ける(!)ので。
それぞれのキャラクターの描写が面白くて、とはいってもコミカルなわけではちっともなくて、
リーダー役の刑事(警視)を中心に極限の世界に生きようとするときの相克が面白いのです。

本音と正義感、そして人情といった、ひとが人として生きていく上で行動を律するものを捨てて、とにかく生きのびるためのルールを優先するのかしないのか。作者は登場人物にそれぞれ非常に興味深いセリフを吐かせて深い共感を覚えました。

「人類が文明という名のもとに地球に対しさまざまな悪行を蓄積したので宇宙の自浄作用が働いて「天敵」である人類を駆逐しようという力が働いている」
はあるかもしれない、と思ってしまった。地球温暖化で陸が埋没するというのもその「自浄作用」かも
と納得してしまう。

サバイバルに必要な物資を調達しようと銀座の百貨店に入る女子高校生と警視の弟。
女子高生は宝石を身にまとい、「こういうの欲しかった」とつぶやくが、生きるか死ぬかの世界では宝石の価値はない。
阪神淡路大震災のあと私も物欲が失せたのを思い出した。(また出てきましたが^^;)

今ある当たり前の法社会が平穏な状態でしか立ち行かないのだという
言わば当たり前のことを、
大天災に襲われたら、という想像をともすれば
避けて通りがちな私たちに警鐘を鳴らしています。

さて、この11人の運命ですが、いくらネタバレと断ってはいてもここでばらす訳には行きませんσ(^_^;)

本当にタイムリーでした。この本に巡り会えたのは。

by jmtravolta_johnta | 2015-01-18 09:14 | | Comments(0)
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夜、特に何もないときは8時とか9時には床に入り、本を読む。たいてい軽いもの、推理小説が多い。
写真の「ナミヤ雑貨店の奇跡」は誰でも知ってる、今を時めく人気作家の東野圭吾。

この本、昨夜紐解いたらやめられずにとうとう読み通してしまった。
時々涙も出るのでチーンと洟をかんだりしながら、この作家の深い洞察力とか家族、親子の絆への思いとかを再認識させてもらった。

この前によんだのが「赤い指」。これは殺人事件ものだけど、ふつうの推理小説ではない。
家に帰ると居間に見知らぬ女の子が死んでいて、それが中学生の息子によるもの、だったらどうします?!
親子という縛りの哀しさ、愛おしさを息詰まるよう展開で読ませてくれます。ラストのクライマックスは凄いです!涙出るのでご注意ください。

家族ものというと「手紙」もそうでした。
「レイクサイド」も家族もので殺人事件って特殊な世界の得意な出来事ではないとの思いでちょっと怖くなります。
怖くなるというと、「ダイイング・アイ」も怖いです。これ読んだらクルマの運転、さらに慎重になります(笑)。

東野圭吾のは「東野節」みたいな、いわゆる「作風」ってあまりないようです。発送が自由で着眼点が鋭い。
つまり作品、作品でそれぞれ深刻だったり、ユーモアやペーソスが盛り込まれていたりしますが、
設定がとてもオリジナルで、退屈させません。
普通の殺人事件のようなものでも、これまでのと何か、違うんですね。
「容疑者Xの献身」なんてアリバイ工作がとんでもないので唸ってしまいますよ。
どんな人生を送ってきた人なんだろうと思って、「あの頃ぼくらはあほでした」など読むと、それほど本の虫じゃなかったようですが、公立で教育受けて、いろんなジャンルの人、境遇の人を見てこられたのも一つの肥やしになってるんだろうか、と想像力の乏しい凡人は思いました。

話はもどりますが
作者は1958年生まれというからまだまだこれからも秀作で読者をひきつけてくれることでしょう。
楽しみな人です。図書館で借りて読んだ後で、やっぱり買っておこうと思うような本はなかなかありませんが、
これはそういう本です。
by jmtravolta_johnta | 2014-06-07 16:33 | | Comments(0)
「地下鉄」には「メトロ」とルビがふってある。
図書館の書棚から取り出してぱらぱらとめくってみたら
漢字が少なくて、かつ、会話が多くて読みやすそうだった、という理由で借りた(笑)
予備知識は従ってゼロ、タイトルからなんだかお洒落なエッセー風の小説か、とも思った。

ところが違うんです。
(ここから先はネタバレにつき、ご注意ください)
戦中、戦後を生きた父親とその息子を核に描く家族の相克、と言ってしまえばよくある話だけど、
それを地下鉄を使ってSF風タイムスリップさせるから、あっと驚く展開になる。
面白くて一気に読めた。
面白いといっても笑える、という意味ではもちろんなくて、涙ぐむシーンさえあったくらい。

二か月前に父が亡くなったけれど、生きてるときに若いときの話など聞いておけばよかったと思ったくらいです。そうすれば父を忌み嫌ったままで見送ることはなかったのかも、と・・・・

ただ、巻末に着いていた「地下鉄に乗って縁起」は不要でした。
これはわゆる、メイキング、みたいなもの、小説で感動している読者には蛇足でしかありません。

とはいえ、乱読は楽しい、というのが結論です。
by jmtravolta_johnta | 2014-01-11 16:32 | | Comments(0)
110920
この人の本は気楽に読めてしまうのに
なぜか人の心の奥底を突いているような深さがあって
好きな作家の一人だ。
前にも書いたが
パスティーシュ(文体模倣)というのが得意で
戦時中の戦意高揚ビラ風だったり
落語風だったり、
運勢占いの本風だったり、
中年のサラリーマンの悲哀を切々と語るのかと思えば
渋谷や原宿を闊歩する女子高生の日記風だったり
自在に文体を操る。

「12の特別料理」という短編集は
料理がきっと得意な作者が料理にからめて12の人生風景をたくみに描いている。
レシピ本かとまがうくらいの詳細な「作り方」の記述が興味深い。

で、文体だが、これが普通の文体なのだ。
「普通の文体」ってどんなのが普通?と聞かれても困るけれど、
つまり「清水調」ではないのだ。

12話あるうち、私が特に好きなのが
10話目の「そば」。

左遷人事で落ち込むサラリーマン、家族と家のローンを抱えて
仕事を変わるわけには行かない。
鬱々とした毎日だったが突然蕎麦うちセットを買いこみ、毎週末には猛然と蕎麦を打つ、という話。
奥さんも夫の打ち込み方にただならぬものを感じ、
出汁を丁寧にとったつゆと薬味など揃え協力する。
最初はオイシイと言って家族で食べたが毎週となるとさすがに飽きてくる。
それでもこのお父さん蕎麦打ちを止めない。
ネタばれですが
「物議をかもしつつも4年間続いた。
4年後に彼が所長に昇進すると蕎麦うちはぴたりとおさまったのだそうである。」

この章には読めば実際に蕎麦が打てそうな記述もあって面白いけれど
最後の一行が種明かしになっていて、
ちょっとホロっとしてしまった。
読後が爽やかなのは
作者がちっとも教訓をたれようなどとは思っていないこと。
「不遇のときはヤケをおこしちゃだめ、何かはけ口とか打ち込めるものを見つけて耐えなさい」とかね。

話は逆になるけれど
第一話の「おにぎり」も
ホロっとしてしまった。

11話の「八宝菜」は可笑しくて悲しい。
かなり共感する。

是非読んでみて下さい。
by jmtravolta_johnta | 2011-09-23 21:48 | | Comments(0)

普通の毎日がありがたい・・・


by じょんたのおばあちゃん