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追悼 太田宏昭さんへ


写真家の太田宏昭さんが亡くなった。
64歳でこの世を去った人は、
馬好き、また馬写真を撮る人の間に常に話題と感動を与えてくれた。

昨夜のお通夜では会場に入りきれない参列者がお焼香の順番を待っていた。
祭壇には乗馬で使っておられた馬具、そして愛用のカメラが三脚に組まれて棺の横に設置されていた。

遺影のお写真は馬に頬ずりをしている笑顔の太田さん。
亡骸のお顔には辛い闘病の影はなく、微笑んでいらっしゃるような良いお顔だったのも涙を誘う。

喪主のお姉様は太田さんの生い立ちを語られて、
「弟は自由気ままに生きて、皆様にご迷惑をおかけして・・・」とおっしゃるけれど
どれだけの人が彼の写真に感動し、そして彼の言動に癒され、励まされたことか。

会葬者にはいろんな年齢層の人がいた。
中でも中学生ぐらいの男の子は涙を拭き吹き棺にすがっていたのは辛かった。
若い女性が圧倒的に多いんだろうな、などと勝手に勘違いしていたのが恥ずかしい。

お通夜は無宗教で執り行われるとのことで読経はなく、エレクトーンによる演奏があり、
静かな音色を聴きながら故人を想った。
つくづく優しさと思いやりとそしてユーモアの精神にあふれた人だったと、思いを巡らした。
「自由気ままに生きた」と言うのは多分そうだろうと思うけれど、病身を押してでも海外への取材に出かけ、そして病室では原稿を書く、仕事人間でもあったと思う。

この6月、メッセンジャーで「今度の那須の競技会に行きますか?」と聞かれたけれど
モンゴル旅行があったので「やめときます」と答えたのが悔やまれる。
日にちは被らないので行けない事はなかったのに・・・
それに「お能写真」の作品展も。足を運んでいればお会い出来ていたのに。

太田さんが通っていた乗馬クラブの人は
「彼は自由に生きたから、良いんですよ。人間、長生きすりゃ良いってもんじゃない。」
とおっしゃる。
そして「いわばカッコイイ、寅さんだったんですよ」。
この謂に救われたような気がして
そして「生きるとは何か、どのように死ぬか」を問われたような気もした。

これまで多くの方の旅達に会ってきたけれど、太田さんほど死生観を問いかけてくる人はいなかった。

生演奏の音楽はフランス映画「男と女」のテーマ曲に変わった。
目頭が熱くなる。
太田さんは闘病中の「退屈」な時にメールをくれて、馬のこと、写真のこと、
そして彼が若い頃に訪れた西海岸地方のドービルに話題が行った時に
私が「『男と女』の世界ですね」、と返すと
そこからフランス映画の話に発展していった。
ジャン・ルイ・トランティニヤンが好き、ロミー・シュナイダーのファンだったとか、
共通の話題で盛り上がりしばし病室での無聊の慰めになったかもしれない。
そして「元気になったら馬好き集めてカマルグへ行きましょう。」と言っておられたのに・・・

喪失感にめげそうになっている。

6月のチャグチャグ馬コで。
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去年のばんえい競馬場、朝調教でご一緒した。
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遺品のジャケット。
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Commented at 2019-08-09 21:28
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by jmtravolta_johnta | 2019-07-21 09:03 | 写真 | Trackback | Comments(1)