笑えた〜!だけど悲哀もちょっぴり
2018年 12月 31日
「ハロルドが笑うその日まで」スエーデン映画,(ノルウェー映画かもしれない)
(ノルウェー映画でした。ノルウェーの自宅から雪道を運転してるといつの間にかスウェーデンに入っているというこの敷居の低さもちょっと驚き)
多分、ほのぼの系だろな、と思いながら見ていくと・・・
認知症の老妻を施設に入れた途端急死してしまう。
主人公がいきなり焼身自殺を図る。
お〜っと死んじゃったらお話し続かないぞ、と思いきや天井のスプリンクラーで自殺は失敗に終わるが
ここでまずクスっと笑える。
こうなったそもそもの原因は「イケア」、そう、あのIKEA。IKEAが隣にできてしまい、
ノルウェーに住むハロルドは40年間営んできた家具屋を廃業に追い込まれてしまうのだ。
我が人生をぶち壊しにした張本人とも言えるIKEA、その創始者のカンプラードを誘拐することにした。
え?ほのぼの系じゃないの?犯罪映画?
この辺から???が頭の中でブンブン飛び交う(笑)
で、実際に誘拐する。
話は後先するけれど
それに至るまでの間ハロルドの息子が失業して街で喧嘩してたり、ヒッチハイクで乗せてやる娘は
家庭に問題あり、で暗い事情の人が次々現れる展開。
この話、どこへ向かっていくんだろ・・・と先が予測できなくてグイグイ引き込まれてしまう。
そもそも北欧っていうと社会
保険料は高くても福祉が行き届いていて
国民のすべて、一人残らず悔いのない豊かな暮らしをエンジョイしているものだと
私など無邪気に思い込んでいたから
こういう不幸な情景に少々戸惑ってしまった。
画面は終始雪がちらつく寒々とした景色が背景だし。
だけど、人間、歳とって認知症になったり、
失業したり、
夢破れて自暴自棄とか、
親の愛情を受けて育つかどうかとか
世間に忘れられた存在になるとか、
人間本来の本質に関わる問題、
福祉に手厚い国だからとかは関係なく、古今東西普遍の事なのだった。
で、話を戻すと
老人が老人を誘拐する話(笑)。
誘拐犯は不慣れでドジ、誘拐される方は非日常な体験にワクワクしちゃってるので
やっぱりどんな展開になっていくのか予想がつかない・・というところが普通の映画と違っていて
面白い(笑
結局話は特にドラマティックなクライマックスとかはなく、
それぞれの立場の人たちの心の交流を描いて終わるのだけど
割と初期から絡んでくるエバという家出娘が結構面白い役回りで
彼女が老人二人の様子を見て吹き出すシーンなど
「笑い」の持つ力を実感した。
笑ったら元気になる、という構図。 翻って私は、といえば
義母の四十九日法要が済んだものの、ほっとする間も無く
実母の醜態に情けない思いで鬱々としていたけれど
エバと一緒に吹き出しながら元気をもらい
ちょっとしたカンフル剤になった。
それにしても
実在の企業とその創始者を実名で登場させていて、あろうことか創始者の不名誉な部分にも触れているから
これにも驚きだった。
IKEAはよく許可したなあ・・・
「金持喧嘩せず」って事なのね・・・と妙に納得もしたり(笑
by jmtravolta_johnta
| 2018-12-31 08:41
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