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こういうのが「叡智」?☆「バウンティフルへの旅」を見て

おおよその意味はわかっても自分では殆ど使わない言葉ってあるものです。
私の場合、その一つが「叡智」でしょうか・・・

なにやら小難しそう、使ったらちょっと上から目線にきこえてしまう??
でもそうではなくて「このことをいうのよ」と教えられた映画を
昨夜見たのです(BSからの録画で)。
タイトルは「バウンティフルへの旅」。
なんの予備知識もなく見る映画は最初の20分くらいは
背景説明なので我慢が必要ですが、
それを過ぎたあたりから物語が展開します。

狭いアパートに息子夫婦と暮らすMrs.ワッツが主人公。
同居は嫁にうだつの上がらない息子、きつい嫁。
Mrs.ワッツには20年前までくらした故郷、バウンティフルへ帰りたいという夢だけが、
辛い現実に耐えるよすがである。
夢見るだけではなく実際に「逃亡」をはかったが、最寄の駅まででおしまい。
連れ戻されてしまうのである。
だが三度目はそうではなかった。
ただしすんなりとはいかない。
駅にめでたくたどり着いたものの、
切符を買う段になって
バウンティフルの駅は廃線になってしまっていて、もうないと知る。
が、諦めない。
汽車がだめならバスでとりあえず近くまで行く。
ハンドバッグをバスに置き忘れてしまったり、
ハプニングはあるけれど
出会う人、出会う人の親切にも恵まれ、
なんとか生家まで行き着くことが出来た。

ところが、である。目の前に展開するのは
寂寥とした無人の村。最後の住人で友人の女性が亡くなったばかりだったのだ。
果てしない草原に思い出したかのように存在する廃屋。
そのうちの一つが生家であった。
この家での思い出を宝物のように温めてきた彼女のイメージと現実のギャップが
悲しい。
彼女、どうする?泣き崩れる?喚く?
(このあたりでこの映画を息を凝らして見ている自分が居た)

確かに迎えに来た息子にめそめそ話して聞かせるけれど
絶望してやけくそになる、のではなかった。
それどころか
息子とともについてきていた嫁が提示した「仲良く暮らすための条件」に
黙って頷く。
そして嫁の頬にキスしたのだ。
嫁は(今の言葉で言うと)目が点になった。そして
きつい、冷たい眼差しに暖かいものがポッと点った。
つまり、
Mrs.ワッツは故郷を見たことで現実を悟り、
現実を受け入れていくという賢い選択をしたのだ。
これが「人の叡智」でなくてなんであろう。

なあんて、偉そうなこと書いちゃいましたけど、
見終わってから深い感銘を覚えている自分に気づいたのです。
若い頃に見ていたら感動したかどうかわかりませんが・・・
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by jmtravolta_johnta | 2010-12-24 16:14 | 映画。TV | Comments(0)

日々歳を重ねていくだけ、という普通のお婆さんの日記。


by じょんたのおばあちゃん
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